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――久しぶりに意識が浮上した。
今回はどれくらい眠っていたのか、どれほどの時が経ったのか、時間の感覚がまるでない。
緩やかなまどろみは死と似ていると、誰かが言った気がする。
でも、そうは思わない。
一定しない浮き沈みする意識。
自分の思い通りにならない身体。
自分は何もできない。
貴女の声が聞こえるのに。
貴女の涙が見えるのに。
こんな風に泣かせるつもりじゃなかった。
こんな風に泣かせるつもりじゃなかった。
こんな風に泣かせるつもりじゃなかった。
こんな風に泣かせるつもりじゃなかった。
その気持ちが、俺を苛む。
――死よりも苦痛だ。
「蘇芳君、キミ、探検はお好きですか?」
嫌いとか好きとか関係ない。
貴女の元に還るためなら、俺は何でもする。
――貴女の涙を拭くためなら、何でもする。
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