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にゃんこ達が襲撃をくらった。
蘇芳達、大人チームが異変に気がついたときには、既に事は終わっていた。
夜の間の、あっというまの出来事だった。
「……仔猫ちゃんたち軽く凹んでるみたいだネェ。」
いつの間にか傍に来たモモコが煙草の煙を燻らす。
「明るいあの仔の性格が歪んでしまわないといいんだけどネェ。」
「そんな柔な性格には見えないがなぁ。」
「でも、傷つき易い年頃だし……。」
「男なら少しくらい凹んだ方が、成長するんだよ。」
「え……あの仔、メスじゃないの?」
「……いや、オスだろ?」
蘇芳とモモコは顔を見合わせる。
……そう言えば、にゃもの性別は謎だ。
「まぁ、この島には性別不肖なヒト多いしネェ……どうでもいい事かもしれないネェ。」
「そうだな……男だって言い張る女もいるしな。」
そう言って、蘇芳はこの島に来て知り合った華奢な少女の事を思い浮かべる。
どう見ても女性にしか見えないけれど、本人の意思を尊重して、あえてつっこまないつもりでいる。
「あの仔、本当にオスなら、イイ男に育つかしらぁ。」
「……お前さんはそればっかりだな。」
「だって、イイ男探しはアタシの生きがいだもの♪」
モモコは艶のある笑みを浮かべる。
「だからね、旦那。アタシ、もう行くよ。」
煙管を逆さにし、コンコンと灰を落す。
「この島にはアタシ好みな男はいないみたい。旦那はいい男だけど、お手つきだしネェ。」
「そうかぁ。何処へ行くんだい?」
「んー、そうだネェ………口の悪いパンダと少女の後でも追ってみようかネェ。」
「ふぅん、パンダも惚れられたもんだなぁ。」
「そ、そういうんじゃないんだヨ!アタシはあの二人が生きてんのか気になって……」
「そーか?じゃあ、俺様の義妹殿にあったら、よろしく伝えてくれよ。」
揶揄する蘇芳にモモコは頬を赤くする。
珍しい事もあるもんだ、と蘇芳はモモコを見つめると、モモコはぷいっと横を向いてしまう。
「……それはそうと、アタシが居なくなった後も、仔猫ちゃん達の事、目にかけてやってくださいヨ?」
「それは、大丈夫。」
じゃ、そろそろ行くヨと、モモコは言う。
「あの、旦那……」
「なんだ?」
「会社に復帰する日を待ってますからネ……お達者で。」
モモコの言葉には答えず、蘇芳は猫目を細めて微笑んだ。
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「さてと……」
モモコが姿を消すと、蘇芳は立ち上がった。
黒いバサバサのマントを翻し、白い仔猫の姿を探して歩き出す。
「おーい、にゃんこ!」
いつもより元気の無い仔猫の姿を見つける。
蘇芳は傍にしゃがむと、垂れ下がった尻尾を軽くつかんでゆする。
「おい、元気出せ。二人で強化合宿でもするかぁ?」