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<<ArcanA Collection>>

---全ての元凶・契約の悪魔---
HN:
蘇芳
性別:
男性
自己紹介:
暗い紅髪 金の猫目。
ギザギザのノコギリの様な歯。
黒いバサバサなマント。

通称、紅い悪魔。

救いようの無い妻バカ。
高じて魔界一美しい桜の木に囚われる。
現在、少しでも早く愛妻・破璃の元に戻るため努力中。
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偽島・蘇芳小話
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「……お前さんたちを薪の変わりに燃やしたら大きな火鏡が出来るかな……」


ぞっとするような低い声で呟くのは、紅い悪魔。
戦闘に破れ、ぐったりとしている歩行雑草たちを見下ろす彼の表情は、逆光で窺えない。

「ホント、むかつくぜ。俺様の恋路を邪魔するヤツは、俺様に蹴られて死んでしまえ。」

そう言いながらガスガス蹴りを入れている。

そして彼は、炎の鏡に映された彼女の表情を思い出す。


不安と驚きと期待に揺れた紫水晶の瞳。

一瞬だけ、自分の事を見た気がする。
彼女はあの後、どんな表情を見せたのだろう。

驚きだろうか。
悦びだろうか。

……それとも?


「……ったく、イイ所で邪魔しやがって、ホントむかつく。」

容赦なく蹴りを入れ続ける。


聡明な彼女の事だ。
もしかしたら、何か気がついたかもしれない。

自分の身に起きている事。
自分があの桜の木には居ない事。
自分が新たに交わした契約。


気がついたかもしれない。
気がついたかもしれない。
気がついたかもしれない。



不意に日陰に入った。
同時に、思考が遮られる。


ネロが驚いて、蘇芳の後方を見ている。

悪魔は蹴りをやめ、ゆっくり振り返った。



6対のつぶらな瞳が彼らを見下ろしていた。



「……齧歯類が俺様たちに何の用だ。」

蘇芳は片方だけの金の猫目を眇めて、巨大ハムスターを見返す。

「俺様は、まだご立腹中なんだよ。それでも俺様たちにちょっかい出したいって言うなら……」

悪魔特有の邪悪な笑み。
逆三日月に吊りあがった口の端から覗くのはギザギザの鋸歯。



「籠の中で車輪回して愛嬌振るまってた方が数万倍良かったって、後悔させてやる。」
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